1: セットアップ
このチュートリアルについて
Section titled “このチュートリアルについて”このチュートリアルでは、Next.js を使ってTodo管理アプリを作成しながら、Web アプリケーション開発の基本を学んでいきます。
- 環境構築
- 基本的な機能の作り方
- 機能拡張
- HTML、CSS、JavaScript の基礎
- ターミナルの基本的な使い方
💡 ターミナル: パソコンに命令を送るための画面です。Windows では「コマンドプロンプト」や「PowerShell」、Mac では「ターミナル」と呼ばれます。
このチュートリアルを進めるにはお使いのパソコンに Node.js がインストールされている必要があります。 以下のコマンドを実行して Node.js がインストールされているか確認してください:
💡 コマンド: 「フォルダを作る」「ファイルを開く」など、パソコンに対する命令のことです。
node --versionnpm --version
以下のようにバージョンが表示されれば OK です:
v22.16.010.9.2
(環境によってバージョン番号が異なる可能性がありますが問題ありません)
Node.js がインストールされていない場合は、公式サイトからダウンロードしてください(LTS 版を推奨)。
Next.js プロジェクトの作成
Section titled “Next.js プロジェクトの作成”💡 プロジェクト
家を建てるときには建築現場に必要な道具や材料、設計図などを整理して置きますよね。
Next.js のプロジェクトも同じようなものです。
Web アプリの開発に必要なものが整理されて入っている「箱」のようなものです。
ターミナルで以下のコマンドを実行してください:
npx create-next-app@latest todo-manager
いくつか質問が表示されます:
Would you like to use TypeScript? No / YesWould you like to use ESLint? No / YesWould you like to use Tailwind CSS? No / YesWould you like your code inside a `src/` directory? No / YesWould you like to use App Router? (recommended) No / YesWould you like to use Turbopack for `next dev`? No / YesWould you like to customize the import alias (`@/*` by default)? No / Yes
以下のように回答してください:
Would you like to use TypeScript? No / Yes→ No を選択 理由: TypeScript は高度な機能なので、最初はシンプルな JavaScript で覚えましょう
Would you like to use ESLint? No / Yes→ No を選択 理由: Next.js の学習に集中するため
Would you like to use Tailwind CSS? No / Yes→ No を選択 理由: CSSの基本から学習するため
Would you like to use `src/` directory? No / Yes→ Yes を選択
Would you like to use App Router? (recommended) No / Yes→ Yes を選択 理由: 最新の推奨方式のため
Would you like to use Turbopack for `next dev`? No / Yes→ No を選択 理由: Next.js の学習に集中するため
Would you like to customize the default import alias (@/*)? No / Yes→ No を選択 理由: デフォルトのままで十分
セットアップが完了したら、プロジェクトフォルダに移動して開発サーバーを起動します:
cd todo-managernpm run dev
以下のような出力が表示されれば成功です:
> todo-manager@0.1.0 dev> next dev
▲ Next.js 15.3.2 - Local: http://localhost:3000 - Environments: .env.local
✓ Starting... ✓ Ready in 2.1s
ブラウザで http://localhost:3000
を開くと、Next.js の初期画面が表示されます。
ターミナルに Ctrl + C
を入力すると開発サーバーを停止できます(Mac, Windows 共通)。
プロジェクト構造の理解
Section titled “プロジェクト構造の理解”作成されたプロジェクトの構造を詳しく見ていきましょう:
todo-manager/├── .next/ # Next.js が自動生成するビルドファイル(編集不要)├── node_modules/ # インストールしたパッケージが保存されるフォルダ(編集不要)├── README.md # プロジェクトの説明書├── jsconfig.json # JavaScript の設定ファイル├── next.config.mjs # Next.js の設定ファイル├── package-lock.json # パッケージのバージョン管理ファイル(編集不要)├── package.json # プロジェクトの設定や使用するパッケージの情報├── public/ # 画像などの静的ファイルを置くフォルダ└── src/ # ソースコードを格納するフォルダ └── app/ # アプリケーションのメインフォルダ ├── favicon.ico # ブラウザのタブに表示される小さなアイコン ├── globals.css # 全ページ共通のスタイルを定義するCSSファイル ├── layout.js # 全ページ共通のレイアウト (ヘッダーやフッターなど) ├── page.js # トップページ(`/`)に表示する内容を書くファイル └── page.module.css # トップページ専用の CSS ファイル
各ファイルとフォルダの役割を詳しく説明します:
-
.next フォルダ
- Next.js が自動的に生成するフォルダです
- ビルド(プログラムの変換)結果が保存されます
- このフォルダは編集する必要はありません
-
node_modules フォルダ
- インストールしたパッケージ(追加の機能)が保存されるフォルダです
- このフォルダは通常編集しません
-
README.md
- プロジェクトの説明書です
- プロジェクトの概要や使い方などを記述します
- Markdown 形式で書かれています
-
jsconfig.json
- JavaScript の設定ファイルです
- エディタの補完機能などを改善するために使います
- 最初はデフォルトの設定のままで問題ありません
-
next.config.mjs
- Next.js の設定を変更するためのファイルです
- 画像の最適化や、その他の機能を設定できます
- 最初はデフォルトの設定のままで問題ありません
-
package-lock.json
- パッケージのバージョンを正確に管理するファイルです
- 自動的に更新されるので、手動で編集する必要はありません
-
package.json
- プロジェクトの設定情報が書かれているファイルです
- 使用するパッケージの一覧や、実行できるコマンドが定義されています
- プロジェクトの名前やバージョンなども設定できます
-
public フォルダ
- 画像やアイコンなど、静的なファイルを置く場所です
- このフォルダ内のファイルは、そのまま URL でアクセスできます
- サンプルとして、いくつかの SVG 画像が含まれています
-
src フォルダ
- アプリケーションのソースコード(プログラム)を格納する場所です
- コードを整理して管理しやすくするために使います
-
app フォルダ
- Next.js のアプリケーションの中心となるフォルダです
- appフォルダの中に作ったのフォルダの名前がページの URL になります
- 例:
src/app/users/page.js
→http://localhost:3000/users
をブラウザで開くとpage.js
の内容が表示されます
💡 ヒント:
- 最初は
src/app/page.js
とsrc/app/page.module.css
を編集するだけで簡単な変更ができます- 開発サーバの実行中にファイルを編集して保存すると、変更内容がブラウザに自動的に反映されます(ホットリロード機能)
.next
とnode_modules
フォルダは編集しないでくださいpublic
フォルダには、画像などの静的なファイルを置きます- 他のファイルは、必要に応じて徐々に理解していきましょう
よくある問題と解決方法
Section titled “よくある問題と解決方法”コマンドを打ち間違えた場合
- 間違えたコマンドを入力した場合は、
Ctrl + C
でキャンセルできます
ポートが使用中の場合
- 別のアプリケーションが 3000 番ポートを使用している場合、自動的に 3001 番などに変更されます
- ターミナルに表示される URL を確認してください
- 例:
http://localhost:3001
のように表示された場合は、その URL を開いてください
コマンドが見つからない場合
- エラーメッセージ例:
'npx' は内部コマンドまたは外部コマンドとして認識されていません
- 解決方法:
- Node.js が正しくインストールされているか確認
- パソコンを再起動してみる
- Node.js を再インストールする
権限エラーが発生する場合
- エラーメッセージ例:
Permission denied
やアクセスが拒否されました
- 解決方法:
- Mac: Node.js を再インストールする(
sudo
は使わない) - Windows: 管理者として実行する必要がある場合があります
- Mac: Node.js を再インストールする(
フォルダ名やパスに日本語が含まれている場合
- エラーが発生する可能性があります
- フォルダ名は英語(アルファベット)のみを使用することをお勧めします
- 例:
Todo管理
→todo-manager
正しく動作するか確認してみましょう:
npm run dev
で開発サーバーを起動できる
初期画面(http://localhost:3000/
)を表示できる
🎯 理解度チェック
Section titled “🎯 理解度チェック”以下の質問に答えて、学習内容を確認しましょう!
-
Next.js プロジェクトを作成するコマンドは?
- A:
npm create-next-app@latest todo-manager
- B:
npx create-next-app@latest todo-manager
- C:
next create-app@latest todo-manager
答えを見る
答え: B:
npx create-next-app
npx
は Node.js のパッケージを実行するためのコマンドですcreate-next-app
は Next.js のプロジェクトを作成するためのツールです@latest
はcreate-next-app
の最新のバージョンを使うという意味ですtodo-manager
はプロジェクトの名前です.create-next-app
はこの名前で新しいフォルダを作成します
- A:
このステップでは以下について学びました。
-
環境構築
- Node.jsのインストール確認方法
node --version
とnpm --version
でバージョン確認npx create-next-app
コマンドでプロジェクト作成
-
プロジェクト構造
.next/
: ビルドファイル(編集不要)node_modules/
: パッケージ保存(編集不要)public/
: 静的ファイル(画像など)src/app/
: メインのソースコード- その他の設定ファイル(package.json, next.config.mjsなど)
-
開発の基本
npm run dev
で開発サーバー起動- ホットリロード機能(ファイル保存で自動更新)
- ローカルサーバー(
http://localhost:3000
)で確認
-
トラブルシューティング
- ポートが競合したときの対応方法
- 権限エラーの対処法
- 日本語パス名の注意点
- 開発サーバーの停止方法(Ctrl+C / Cmd+C)